2012.07.04(水)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 植物工場をめぐる状況その4

 
今回は「植物工場への初期投資額」について、述べたいと思います。
 
私たちのような完全閉鎖型植物工場の建設コストは一般に「1株10万円」と言われているそうです。
つまり、「日産2000株」工場であれば「2億円」掛かるそうです。
これには多分建屋の建設コストは入っていません。
 
筆者は、このような膨大な初期投資をしたら植物工場運営は採算がとれないと思っています。
このために、「公的補助金」という発想が出てくるのだと思います。
 
現在のように「植物工場業界」が未成熟なうちは「公的補助金」による支援は重要ですし
ありがたいことです。
しかし、この「公的補助金」を「前提」に業界自体が生きていこうとするのは間違いだと思って
います。なるべく早く「公的補助金」がなくても生きていける業界にならなければなりません。
 
「公的補助金」がなくても生きていくためには「初期投資をなるべく少なくする」ことが、まずは
重要です。そのためにもコストの高い「技術」の導入は出来ません。
普及している技術で最大の効率性を追求する必要があります。
 
その点では、ネームバリューのある大きな設備メーカーや建設会社には売上があまり伸びないので
魅力的な市場ではないかもしれません。
だからこそ、中小の会社が進出できる市場なのだと筆者は考えています。
 
「公的補助金」なしで生きていくためには「初期投資」だけでなく、「生産物の販売」についても
工夫が必要になります。
「値段を下げる」ことはもちろんなのですが、販売方法の工夫も重要になるのです。
 
 

2012.07.02(月)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 植物工場をめぐる状況その3

 
植物工場の「技術」について、少し述べたいと思います。
 
まずは、植物工場の設備に係る技術です。
植物工場というと「未来の産業」「先端技術」というイメージがあると思います。
実は植物工場自体にはそんなに「画期的な技術」が使われているわけではありません。
 
完全閉鎖型の植物工場では「光」「温度・湿度」「二酸化炭素」「養分」をコントロールして
います。それらのコントロールを効率的に行うために「完全閉鎖」にするのです。
 
光のコントロールというと難しそうですが、蛍光灯などの「人工光」を24時間タイマーで点けたり
消したりしているだけです。
「温度・湿度」だって、業務用エアコンの温度設定(サーモスタット)をしているだけです。
「二酸化炭素」もボンベからチューブを配管して、途中に穴をあけているだけです。
特に技術的な背景のない人でも理解できるレベルの技術です。
 
「養液管理」だけは、栽培の知識がないとどの養分をどのくらい入れたら良いかは分かりませんが
別に「画期的な」アイデアで管理しているわけではありません。
 
こんな「通常のありふれた」技術を組み合わせて成り立っているのが、完全閉鎖型植物工場
です。
全体のバランスは重要なので、「ある程度の規模の運営の経験」があれば設備デザイン
もできると思います。
 
逆に、最先端の技術を導入しようとするから難しい話になるのではないかと筆者は考えています。
植物工場はなにも「先端技術」を使ったものではなくて、「ありふれた」技術を使って「投資金額」
をなるべく少なくすることを考えないと「採算性」で苦しむことになると思っています。
 
 
 

2012.06.26(火)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 植物工場をめぐる状況その2

 
筆者は「生意気」ながら、植物工場に関するセミナーの講師や新規事業として植物工場を
考えている人や会社の相談にのることがあります。
また、短いですが文章を書くこともあります。
 
そんな中で感じることは「ネームバリュー」のある会社の方にはなかなか勝てないという
ことです。別に勝負をしているわけではないので「勝ち負け」ではないのですが。
 
世の中で有名な(ネームバリューのある)会社が何か発表すると、野菜工房が同じことを
言ったりやったりするよりも注目されるということです。
植物工場の設備販売などを考えても、有名な会社が「植物工場設備販売に進出」と発表
すると「信頼性のある設備」だろうと考える人が多いようです。
 
仮に、その会社に「商業規模の設備」を建設した実績が全くなくても「信頼性のある設備」だと
理解される傾向があります。
また、「○○○○大学」の技術を使っているとか共同で開発とかいうセールストークも非常に有効
なようです。
 
筆者はよく言うのですが「商業規模」の設備を「建設」したり、「運営」したりの「実績」が
どのくらいあるかが最も重要です。
「ハードがきちんとしている」ことは大前提で、「運営ノウハウ」(栽培ノウハウだけではない)が
備わっている会社の設備を検討することが絶対条件です。
 
大学や研究機関の「実験規模」の設備では「栽培ノウハウ」は得られますが、「商業規模の
運営ノウハウ」とは違うことを認識しなければなりません。
また、「小さな規模(日産100~200株)」で、「とりあえず勉強」してという考え方にも
筆者は否定的です。
 
商業規模(筆者は最低日産1000株だと思っています)での「運営ノウハウ」は実験設備の
ものと全く違います。
商業規模の運営ノウハウを「勉強したい」ならば、商業規模の設備のところで何ヶ月か研修
することしかないと思います。
 
植物工場は大きな初期投資が必要なので、実績のない設備や運営ノウハウがない会社から
設備を購入することは「大きなリスク」だと思います。
誤解をおそれずに言えば「実績づくり」のお手伝いになっても「しょうがない」という覚悟が
必要ですね。
 
筆者の非常に偏見に満ちたコメントでしたが、「その1」でもコメントしたように「植物工場業界
よりも外野が賑わっている状況」を考えると「外野」からは一歩離れた冷静な自身による
判断がより重要になるということを言いたかったのです。
 
 
 
 

2012.06.25(月)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 植物工場をめぐる状況その1

 
久々に植物工場をめぐる話題を何回かに渡って取り上げたいと思います。
本来このブログは「植物工場」に関するものなので植物工場の話題を取り上げるのは
当然のことなのですが、植物工をめぐる状況は「混沌」としているのでなかなかまとまった
文章にし難いということがあります。
 
植物工場は一般的には「将来性のある事業ですね」「面白いですね」「農業の将来を担って
いますね」などと「注目」される業界であることは事実です。
マスコミも取り上げやすい業界です。
しかし、実態は「混沌」としているというのが筆者の個人的感想です。
 
マスコミで取り上げる「植物工場」の実態を表している次のサイトをご覧ください。
http://innoplex.org/archives/tag/%E5%8F%82%E5%85%A5%E4%BA%8B%E4%BE%8B%EF%BC%88%E5%BB%BA%E8%A8%AD%E6%A5%AD%EF%BC%89
 
上記サイトを見て頂くとお分かりの通り、「植物工場運営」についての記事よりも「植物工場の
設備販売」が圧倒的に多いのです。
特に、「大手建設会社」がそのネームバリューを使って「植物工場設備販売に参入」というのが
良くマスコミを賑わします。
また、「大手電機メーカー」が「LED」や「コンピュータ制御」などの「先端技術」を植物工場に
導入するための販売を開始などです。
 
「植物工場」業界が活発に活動しているという報道よりも、植物工場業界を「顧客」にしようと
考える業界のことが話題にされているのです。
それに刺激されて「新規事業」として「植物工場」を検討している人や会社がいるという状況です。
 
ちょっと冷静に考えれば分かると思いますが、ある意味「外野」が賑やかで「本丸」は「冷静」
ないしは言葉は悪いのですが「白けている」という状況のような気がします。
 
植物工場自体が「白けている」というのは「植物工場業界」に責任があるということは筆者自身
も十分分かっています。
私たちがどんどん活性化することが最も重要なことなのです。
頑張っていきたいと思います。
 
 

2012.04.10(火)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 原発の再稼働その3

 
本件は「福井県大飯原発」だけの話ではないと思います。
今の日本の政府、経済界、そして私たち庶民にとっても考えなければならない問題だと
思います。
 
このブログであまりに政治的になるのはいけないと思いながらも、「理解できない」状況に
思わずこのブログで発信しなければと思った次第です。
 
まずは、下記のニュースを見てください。
QTE:
工程表は免震事務棟の完成時期をストレステスト(耐性検査)1次評価で想定していた
2016年度から15年度に前倒し。原子炉内の圧力を下げるための排気(ベント)設備に
放射性物質を取り除くためのフィルターを取り付ける工事も15年度に完了することを
初めて公表した。津波対策の防潮堤のかさ上げは、従来通り13年度の完成を見込む。
:UNQTE
 
ここで言われている「津波対策の防潮堤かさ上げ」「フィルターの取付」などは「工程表」
で議論する問題なのでしょうか?
 
電源の確保の問題も含めて、「再稼働の条件」だと筆者は考えていました。
筆者だけが不勉強なのでしょうか?
13年末までは「津波対策は要らない」のでしょうか? 15年度までは非常事態ではフィルター
なしで「ベント」するのですね。昨年の福島と同じ状況ですね。
 
電力が足りなくなるから、「危険を承知」で原発再開するということですね。
「電力不足」「電力代金の値上」「節電」と「原発稼働」を我々庶民も十分に考えて「覚悟」する
必要があるのです。
庶民はその覚悟が必要なのですね。政治家の「責任」では取りきれないものだと思います。