2011.12.30(金)
本年最後のブログになるので、非常に大きな課題ですが、植物工場の経営について
筆者が3年の経験から得たものを簡単にコメントしようと思います。
どの業界でも一緒でしょうが、会社が成り立っていくためには「お金(資本)」と「売り(販売)」の
両輪が必要です。
植物工場は典型的な「装置産業」なのです。
植物工場を農業と分類すると「装置産業」という部分を忘れて話をする方がいらっしゃいます。
実際には「初期投資」が莫大ですし、生産を増やそうとして「残業」をしても増えません。
生産量を増やすためには装置を増やすしかないのです。
(一株当たりの重量を増やすことは工夫次第でできますが、これは効率性を上げるということ)
装置産業は「資本」が重要な要素です。
そういう意味では個人が集まって植物工場を経営するというのはかなり無理があります。
大きな資本が中心に必要ということですね。
「販売」については、以前も説明していますが、「市販用」と「業務用」があります。
どちらを攻めるのかは会社の方針だと思いますが、植物工場は一般的に市販用に重点を
置いているところが多いようです。
販売については、従来の農協や青果市場ルートはあまり向きません。
価格が高いので、付加価値を十分理解してくれるところに売らなければなりません。
このため、直接販売が主流になります。
これに加えて、「運営ノウハウ」が重要なのです。
これはどの産業でも当然のことなのですが、植物工場というと「素人でもできる」という「ごまかし」
を信じてしまう人がいます。この点は注意が必要です。
「資本」と「販売」を確立して、きちんとした「運営ノウハウ」を身につければ植物工場は未来の
有望産業となりうると信じています。
2012年は植物工場業界にとって更に飛躍の年となるように祈りながら今年を締めくくります。