2011.07.13(水)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 市場規模の拡大

 
筆者はお会いする方から時々(よく)「植物工場が増えると競争相手が増えて自分の首を
絞めることになる」でしょうと言われます。
その時に、筆者は「植物工場が増えることで認知度が上がり市場規模が拡大するから
大丈夫ですよ」とか「将来的にはレタスの10%程度は植物工場のレタスになると予想している
のでまだまだ30倍以上の植物工場が必要なのです」と説明しています。
 
「安全・安心」が言われるようになって久しいのですが、この傾向が後退することは考えられません。
現在は「安全・安心」に対する信頼がどんどん失われているのが実態なのです。
 
余談ですが、政府が食品安全委員会という組織を独立機関として内閣府(当時)に設立したのが
2003年でした。 当時は「残留農薬」「遺伝子組換」の規制などで毎日新聞報道されていたのを
思い出します。
この食品安全委員会がこの放射能汚染でも活動しているのですが、ほとんど報道されません。
HP は http://www.fsc.go.jp/ です。
 
食品の安全というのは「安全・安心」というひと言で片付けられるほど単純ではないのです。
食品安全委員会のHPを見ても、何がなんだかわからなくなってしまうというのが実態です。
突きつめれば詰めるほど、難しくなってしまうのです。
だから、「不確定要素」の多い農業(自然環境の変化)では対応できない部分が益々多く
なっていきます。
「完全」「100%」ということは安全にはありませんが、できるだけ「不確定要素」を排除して
いくことが「より安全」になり、「安心度」も高まるものだと思っています。
 
その意味で「完全閉鎖型植物工場」は不確定要素を極力排除するように努力しているので
「安全・安心」な農作物を供給するといういみでは大きな役割を担えると思っています。
 
 
 

2011.07.11(月)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 植物工場 販売その2

 
植物工場の生産物の販売について「その1」で若干説明しました。
その中で、農協を通した販売と「直接販売」があると言いましたが、今回は「直接販売」に
ついて説明しましょう。
 
直接販売とは文字通り「直接」販売するのですが、誰に直接販売するのでしょうか?
 
厳密な意味では「需要家」に直接販売するということでしょうが、私たちの場合には
「消費者」だけでなく、「シェフ」「スーパーマーケット」「百貨店」などに販売することまでを
含めて「直接販売」と呼んでいます。
つまり、「青果市場」「問屋」を通さずに販売することを指しています。
 
植物工場の多くはこの「直接販売」をしていると思います。
農協を通じて青果市場に納入したり、青果問屋に引き取ってもらうケースは主流ではありません。
 
直接販売とは言いますが、最終需要家である「消費者」に直接」というのも実はあまり多くは
ありません。 通信販売や直売所で消費者の方に直接販売する方法もありますが、
多分比率としてはかなり少ないと思います。
主流は「レストラン」や「スーパーマーケット」「百貨店」の購入担当の方と交渉して、指定された
場所(各店や物流センター)に納入するというものです。
 
販売形態でも植物工場は一般的な露地栽培などとはちょっと違っているのです。
 
 
 

2011.07.04(月)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 植物工場 販売その1

 
植物工場の運営で生産物としての野菜を販売することは非常に重要なことです。
栽培設備を建設して、運営ノウハウを学べば、野菜は生産できます。
そこで、生産された野菜をどこに売るのかが大きなポイントになります。
 
野菜は「生鮮物」ですから、収穫したらすぐに配達する必要があります。
このためには収穫前からどこに持ち込めば良いのかが決まっていないといけません。
 
通常の農業(露地栽培)では一般的に「農協」に出荷することが多いようです。
農協を通して「青果市場」に納入するのです。
この方法だとその日収穫されたものは「全量」出荷できます。
残るリスクがないというのは非常にありがたいことです。
 
でも、この伝統的な方法には決定的な特徴があります。
出荷してからも「いくらで売れるか?」という価格が分からないのです。
後になって「いくらで売れましたよ」と連絡がきます。
その価格が必ずしもコストを上回っているわけではありません。
それと、それぞれの生産物の品質について考慮されることはほとんどありません。
 
このような農協を通じた販売に対して「直売方式」というのがあります。
需要家や流通の方に直接交渉して販売する方法です。
植物工場の多くはこの「直売方式」が多いようです。
この販売方式については、次回以降説明していきます。
 
 
 

2011.07.01(金)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 植物工場への進出 運営ノウハウ 

 
植物工場とは「工業」なのでしょうか?「農業」なのでしょうか?
見る人、見る角度によって答えはどちらにもなります。
筆者は「両方です」と言っています。
 
野菜を作っているのですから「農業」であることは間違いありません。
露地の農業と大きく違うところは「室内」で「土を使わず」に栽培しているところです。
でも、野菜を作っているのです。農業だと思います。
 
一方で、完全閉鎖型では環境(光、温度・湿度、二酸化炭素、養分)をコントロールしている
ので「工業」としての管理が必要です。管理方法からみると「工業」なのです。
 
植物工場というのは「農業としての栽培ノウハウ」と「工業としての工場運営ノウハウ」の
二つが必要なのです。
筆者があえて「ノウハウ」と書いているので、大学などで研究している「栽培技術」と区別して
いるのです。
「技術」についてはアカデミックな面で「大学」の先生たちの方がはるかに上です。
栽培についての技術については私たちもいろいろと教えて貰っています。
 
でも「商業規模の植物工場」での「栽培ノウハウ」は通常の大学にはありません。
「研究用小規模植物工場」での栽培と「商業規模の植物工場」の栽培での「ノウハウ」は
違うのです。
また、大勢の作業員に効率よく働いいて貰うためには、工業的な「ノウハウ」が必要です。
 
このような状況から「植物工場の運営ノウハウ」という概念が出てきます。
 
大きな投資をして植物工場を建設したのだから「スイッチを押せば」自動的に野菜が出てくるという
考え方は大きな間違いです。
自動車を買えば、全く運転の経験のない人でも「自動車の運転」ができると考えますか?
自動車学校で「運転を習う」というのが常識ですよね。
 
植物工場でも「運営ノウハウ」を習うのは当然なのです。
商業規模の植物工場では 「栽培ノウハウ」と「工場運営ノウハウ」を勉強しなければなりません。
これを「習う」のが「栽培指導」を受けるということです。
私たちは導入までの「コンサルティング」に加えて、植物工場稼働前と稼働後に「栽培指導」を
行える体制を整えています。
 
 

2011.06.30(木)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 植物工場への進出 投資額

 
植物工場への進出を検討する場合に最も注目されるのは「初期投資の金額」です。
大雑把に言っても「数千万円~1億円超」の金額が掛かります。
 
私たちのコンセプトは「遊休工場」を利用することで「建物」に投資しない(実際は借り受ければ
家賃が運営費として掛かりますが)ということで初期投資を減らしています。
それでも「数千万円から1億円」掛かるのですからかなりの投資です。
 
未知の世界に進出するのに「初期投資が大きすぎる」というのは筆者でも理解できます。
このため「始めは小さい工場」を作って、練習してから大きくしようという考えがあります。
 
この考え方はある意味では正しいのですが、実際にはなかなか難しい問題を含んでいます。
「小さい工場」では全く採算がとれません。
また、ある程度の規模の工場と小さな規模では運営ノウハウが全く違います。
「練習」してからとは言いますが、実際にはなかなか練習になりません。
 
また、よくある話で「店舗に設置できる小さな植物工場」と言われます。
これは全くの論外です。
店舗に設置できる「植物工場野菜の展示ショーケース」なら成り立ちます。
つまり、お客様に見て貰うのに見栄えのするのは「30~40日」の栽培期間のうち
「最後の1週間くらい」だけです。
お客様に見て貰える株の数の5~7倍の株数が裏に控えていなければならないのです。
こうなると、他の栽培設備で大きくしたものを最後の1週間くらい「店舗のショーケース」に
移すということになります。だから、「植物工場野菜の展示ショーケース」なのです。
 
「未知の世界」に大きな初期投資をして進出するという非常にリスキーなビジネスなのです。
だからこそ、経験豊富な「水先案内人」が必要なのです。
私たちはその「水先案内人」としての役割を「コンサルティング」で担えると考えています。