2011.10.20(木)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 植物工場建設

 
第3次植物工場ブームと呼ぶ人がいます。
植物工場が話題になることが多いという意味では「ブーム」と言えるかもしてませんが、
日本中でドンドン植物工場が建設されているというのとはちょっと違うと思います。
 
植物工場を作るとなると、商業生産規模の小さなもの(日産1000株くらい)でも1億円前後
掛かることが多いのです。
これだけの資本を投入するのはそんなに簡単なことではありません。
一般に「政府の補助金が出るだろう」と言われますが、実際には1年半くらい前に第3次補正
という枠で「植物工場への補助金」が出されたのを最後に「植物工場への補助金」は制度上
ありません。(産地収益力向上、農家が共同して作る施設園芸というくくりで可能性はありますが)
 
一方で、大きな初期投資をしたけれど「運営ノウハウ」がない会社もあります。
植物工場は「工場」だから、ハードを買えば(それも高い金で)良い品質の野菜ができると
思われがちですが、これは違います。
完全閉鎖型の植物工場では「ハード」はもちろん必要ですが、運営の「ノウハウ(ソフト)」が
より重要だと私たちは考えています。
 
「クリーンルーム」建設の技術があるから植物工場の販売を展開するという大手建設会社
ありますが、これは必ずしも的を得ていません。
いわゆる半導体製造などで使われる「クリーンルーム」は「パーティクル(ホコリ)」がどのくらい
あるかという観点で作られます。「NASAのいくつ」などという基準ですね。
私たちの栽培室は、「菌数をどれだけコントロール」できるかということが重要なポイントです。
この菌数はハードだけでコントロールできるものではありません。ソフトがより重要なのです。
 
また、小さな実験室でノウハウを取得してから商業規模の設備に投資しようという考え方も
必ずしも的を得ていません。
小規模での栽培技術は基礎にはなりますが、規模の大きな商業生産では全体をコントロール
する「運営ノウハウ」があるのです。
ハード的にも小規模なものを「そのまま」大きくしたら、商業規模の設備になるという考え方も
間違いです。大きな空間の環境をコントロールするにはそれなりのノウハウが必要です。
 
これから商業規模の植物工場の運営に参入しようといく方は、「実際に植物工場を運営している」
ところから話を聞いて、そこの技術やノウハウを導入する方法を考えるべきだと思います。
そのためにも、わたしたちのようなコンサルティングが必要になると考えています。
(ちょっと生意気ですね。)
 
 

2011.10.19(水)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 植物工場とJA

 
私たちの会社(株式会社 野菜工房)は「JAちちぶ(秩父農業協同組合)」の准組合員です。
認定農業者になった時に加盟しました。
その後、筆者も代表者で年間150時間以上農業に従事しているということで「正組合員」に
なっています。つまり、会社も個人もJAのメンバーです。
 
それでも、私たちはJAに全く出荷していません。直売所も利用していません。
理由は簡単です。私たちのビジネスモデルの中にJA流通が入っていないからです。
出荷時に価格の決まっていない、自社で価格交渉ができない、流通方式には非常に違和感
があります。
 
大量に、その日収穫されたものを「全て」出荷できるというメリットは感じるのですが、一度手を
離れた私たちの生産物がどのルートを通って「いくらで」納入されるのかが分からないと
私たちが直接交渉している顧客に別ルートから「同じ商品が、全く違う価格」で納入される
可能性があるのです。
私たちは責任を持って、品質・価格を交渉していますので、別の価格で販売されると私たちの
信用にもかかわります。
 
JAの基本的なコンセプトは「組合員平等」というものです。
この観点から同じ品目であれば、同じ価格にならざるを得ません。
極端な言い方をすれば「品質の差」は認められないのです。
 
もともと農家でJAの有力なメンバーだった人が、JA外の流通を利用し始める場合の理由は
大半が「自分たちの品質」をきちんと評価して欲しいというものだと聞いています。
農業法人も同じような理由だと思います。
 
もちろん、農協には肥料、農薬、種などの代金を立て替えてくれたり、必要な保険や融資を
してくれたり、新しい農業技術の指導をしてくれたりとたくさんの重要な機能があります。
これで助かっているメンバーの方が非常に多いということは間違いないと思います。
その点で、私たちも活用できる機能はどんどん活用されて頂こうと思っています。
 
 

2011.10.13(木)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 植物工場産の品目

 
今回は、植物工場ではどんな品目を作っているのでしょうか? ということをコメントしてみたい
と思います。
 
私たちは「リーフレタス」「フリルレタス」「サラダ菜」「サニーレタス」「水菜」の5品目を生産して
います。
この他に「試験栽培」として「ルッコラ」「バジル」などの「ハーブ類」、「パセリ」「大葉」なども
作ったことがあります。
 
よく聞かれる質問に「植物工場ではどんな植物が作れるのですか?」とか「なぜレタスを
作るのですか?」というものがあります。
 
これらの質問には「植物工場では作ろうと思えば何でもできます」と答えます。
これに加えて「生産効率や商売上を考えると「葉物野菜」(レタスなど)になります」と答えています。
実際に私たちでも「かぶ」(根菜類)を作ったこともありますし、大手町の地下で生産している
パソナは「稲(米)」を作っています。
 
「作ろうと思えば作れる」のと、「効率的に」とか「売れる品目」を作るという観点では違ってくるの
です。
私たちのレタスは「無農薬」です。露地栽培で「無農薬」を商業的に作るのは現実的には難しい
ので、露地野菜と競合しない「無農薬レタス」を作っているのです。
 
また、「低細菌」を目指している私たちにとっては「養液(細菌が多い)」を商品に吹きかけるのは
絶対に避けなければならないことなのです。
養液は「根」に吹きかけているので、「商品が根」である「根菜類」では「商品の菌数が高くなる」
という事態が避けられません。
つまり、私たちのセールスポイントのひとつである「低細菌」が根菜類では達成できないのです。
 
「低細菌」で「無農薬」がアピールできる品目を考えると自ずと「葉物野菜」になるのです。
通常の農業(露地栽培やハウス栽培)で比較的多くの農薬を使わざるを得ない品目として
「パセリ」「大葉」があります。これも品目を決める際の重要なポイントです。
 
 

2011.10.12(水)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 植物工場産の品質

 
植物工場の特色は「年間を通して、同じ品質で、同じ価格で、計画的に納入」するという
ものです。この特徴は「業務用」の方には非常に評価されます。
家庭用などでは「旬を感じられない」ということになり否定的に取られることもあります。
 
一方で、私たちの野菜は「無農薬」「低細菌」「低硝酸」を PRポイント にしています。
 
露地で栽培される「葉物野菜」では、実質的に「無農薬」を商業生産することはできません。
努力している農家の方でも「低農薬」です。
その点で「葉物野菜」で無農薬にすることは、露地野菜との競争をしないということです。
 
「低細菌」については、「1g当」の「一般生菌数(いわゆる雑菌)」の数で表します。
通常の露地野菜は「10の6乗個(100万個)」単位の雑菌がいます。500万個や700万個と
いうレベルです。
その露地野菜を「次亜塩素酸ナトリウム」という強烈な塩素で殺菌して「10の4乗個」まで
減らせると言われています。このレベルが厚労省が食品産業に指導しているものです。
 
私たちの野菜は「10の3乗個」のレベル以下ですと説明しています。
実際に分析すると「10の2乗個」レベルが大半です。200個とか500個とかいうレベルです。
だから、「殺菌」や「洗浄」をしなくても使用できるレベルなのです。
他の植物工場でも私たちのレベルで細菌をコントロールしているところはないと思います。
通常は「10の4乗」レベルだと聞いています。それでも露地に比べると「低細菌」です。
 
最後に、「低硝酸」です。
この硝酸塩は味の観点からいくと「エグミ」(嫌な苦み)の基です。
通常の露地栽培のレタスが「4000~5000ppm」のところ、私たちのレタスは「2500ppm」を
切るレベルです。この違いは食べて貰うと「エグミのないおいしいレタス」と評価して貰えます。
硝酸塩を意図的に低く抑える作業をしているのは多分私たちの会社だけだと思います。
 
このように植物工場では、品質について栽培工程で工夫することが可能なのです。
将来的には「更に付加価値の高い」野菜を目指して努力をしていきたいと思います。
 
 

2011.10.11(火)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 植物工場産の流通

 
今回は植物工場産野菜の流通方法についてコメントしてみたいと思います。
 
私たちの野菜はいわゆる「青果市場」には全く出荷していません。
JAについても直売所も含めて全く出荷していません。
ホテルやレストランに直接納入しています。いわゆる「直売方式」ですね。
百貨店やスーパー向には「帳合」と呼ばれる業者を通している場合もありますが、野菜自体は
ほとんど各店舗や物流センターに直接納入しています。
 
通常の農家の方は、JAに納入して、青果市場で売買されています。
これが従来から行われている青果物の流通形態です。
最近は農業法人が直接スーパーやレストランに販売するという形式も増えてきましたが、
まだまだ大半の農家はJA流通です。
 
私たちはJAを否定するつもりは全くありませんが、最終消費者に届くまでに多くの業者が
介入することに抵抗感があります。
また、出荷する際に価格が決まっていないという商売には大きな違和感があります。
自分たちが作ったものには自分たちが価格を決めたいという気持ちが強くあります。
 
野菜に限らず、食料品やその他の消費財でも流通が複雑だというのは日本の特徴だと
思います。これからは徐々にではあるでしょうが、変わっていくと思います。