2010.07.08(木)
「栽培指導」というと「偉そう」だし、「上から目線」だと怒られそうですね。
もっと良い言葉があれば良いのですが。
植物工場というのは典型的な「設備産業」です。
このため、設備さえ良いものを購入すれば「素人でもできる農業」だと思われやすいようです。
確かに、播種・植え替え・収穫などの作業自体は比較的簡単ですし、ちょっと練習すれば
「素人」にもできるものだと思います。
でも、「環境のコントロール」「養液の管理」「光の調節」に加えて、作業自体にもマニュアル化
される前のいろいろな試験・研究があります。
また、実験室での作業と「商業規模」での作業とは全く違うと言っていいと思います。
商業規模の設備を購入して、とりあえず工場見学などで仕入れた情報で「見よう見まね」で
栽培を始めると「多分それなりのものができる」とは思いますが商品になるようなものは
無理だと思います。
農水省の補助金で開催されている「植物工場要員養成講座」を終了したという人でも多分
商品になるようなものは栽培できないでしょう。
自動車の運転で考えて頂ければ分かりやすいと思います。
自動車を購入して、ディーラーから「これがキー」「これがアクセル」「これがブレーキ」と説明を
受けて、「はい、それでは気をつけて行ってらっしゃい」では危なくていけません。
これと同じようなことが植物工場で分野でこれからたくさん起こる可能性があると考えています。
私たちはこのような状況で「栽培指導」という分野が大きく成長すると考えています。
商業規模の植物工場を運営しているところで ①「3ヶ月程度の実務研修」をして、自社の新設工場で
操業を開始するにあたり、栽培指導のための人間を受け入れて(②「指導員受入」)立ち上がりの
一ヶ月程度の指導を受ける。
その後、自身で運営しながら疑問点や問題点を相談(③「相談」)できる体制を整える。
上記の一連の流れ(①実務研修 ②指導員受入 ③相談)が体制的に受けられるようなシステムは
新規に立ち上げる植物工場には必要です。
そのような体制的な支援を称して「栽培指導」と呼んでいます。
このような栽培指導は「商業規模の植物工場運営」を行っているところで、指導に出かけられる
要員を抱えているところになりますが、日本中でもそんなに多くはないと思います。
その分野で活動できるように私たちは準備をしてきました。
技術者の社長に加えて、農学系大学院(修士)を卒業した社員、農学部出身など実際の栽培作業
に加えて「植物工場運営のソフトノウハウ」を積んでいる要員を揃えています。
この分野が早く成長することを願って日々会社経営をしています。