2009.02.09(月)

未来の野菜を作る 植物工場建設風景 エアシャワー

植物工場を紹介する時に、時々「無菌室で栽培」などと言っていることがあります。
それは「ウソ」です。
多分、植物工場の人はそんなことは言ってないのでしょうが、記者の方が理解不足か意図的に
言い換えているのだと思います。(その方が読者や視聴者に受けるないしは分かりやすいので)
実際に「無菌室」なんてできませんよ。
また、「クリーンルーム」で栽培していると報道されることもあります。
これは「ウソではありません」が、ちょっと誤解を与える可能性があります。
クリーンルームでも「レベル」はいろいろです。一般にはNASA(あの米国宇宙局)のいくつという
基準で表します。菌を非常に少ない状態まで持っていって、非常に繊細な作業をする場合も
あります。「NASAの100」なんてすごいレベルです。「1000」でも大したものです。
その点では多分どこの植物工場もそんなレベルではありません。
それでも「クリーンルーム」で栽培していますなんて言って、白いつなぎにマスクをした人が出てくると
すごいレベルなのだと一般の人は思うでしょうね。ある意味では意図的に誤解させています。
私たちはそんなレベルではありませんが、なるべく「ほこりや細菌」を持ち込まないうように注意して
います。
手は栽培室に入る前と入ってからと2回洗います。専用のつなぎとマスク・帽子も付けます。
そして、栽培室に入る前にはエアシャワーを通ります。入口は一ヶ所なのでエアシャワーを通らない
と栽培室には入れません。
airshawer.jpg

エアシャワーとしてはそんなに
高級品ではありません。
それでも、ここを通ることで
従業員の意識が全く変わり
ます。

2009.02.07(土)

未来の野菜を作る 植物工場建設風景 アラーム

 
完全制御型ですから、栽培設備は機械でコントロールします。
機械ですから設定通りに動かない可能性もあります。
「蛍光灯が消えてしまう」「養液が供給されなくなる」などだって起こらない前提でシステムを作る
わけにはいきません。
そのために、いろいろな検知器が組み込まれています。それぞれの検知器が分担された事項を
自動的にチェックしているのです。
そして異常が発生した時には「異常信号」を出します。
それを取りまとめて決められた対応を指示する機器が下の写真です。
alarmsystem.jpg
 
機器自体はあるメーカーの
市販品ですが、そのプログラム
が企業秘密でしょうかね。
筆者にはよく分かりませんが。
(下の緑のテープは工事中の
  目印で現在はありません)
 

2009.02.06(金)

未来の野菜を作る 植物工場建設風景 栽培棚 遮光シート

 
何度も言いますが、私たちの栽培施設は「完全制御型」です。
光源は「蛍光灯」を使っています。それでも、24時間光を当てているわけではありません。
野菜にも「昼と夜」を作ってあげるのです。
夜と言っても一斉に栽培室が夜になるわけではありません。ラインごとに昼間だったり、夜
だったりします。
その場合、野菜が寝ようとしているのに隣が昼間では明るくて寝られないでしょう。
そのために、「遮光カーテン」をつけているのです。
sheetonsaibaitana.jpg
 
これは設置作業の途中です。
こんな「だらしなく」つるさない
ですよ。
これからキチンと巻きます。
 
 
 
handleforsheet.jpg
 
遮光シートを巻きますが
それを巻いたり、下ろしたり
しなければなりません。
その際に使うハンドルです。
これも設置準備のために
床に置いてある状態です。
 
 
遮光シートがきちんと設置された状態の写真は後ほど報告します。
 
 
 

2009.02.04(水)

未来の野菜を作る 植物工場建設風景 エアコン ソックダクト設置

 
 私たちの栽培施設は「完全制御型」(何度も言ってしつこいでしょうが、これがポイントなので)
なので「温度コントロール」もしています。
特にレタスは「冷涼な気候」で育つものなので温度管理は重要です。
 
蛍光灯の熱で温度が高くなりやすい栽培室内は年中エアコンで冷房せざるを得ません。
また、エアコンからの冷風を直接当てると冷風が当たっている部分と当たらない部分との差が
でます。直接当たっている部分は寒すぎるし、当たらないところは暑くなりすぎます。
それを防ぐようにソックダクトというものを使います。
 
sockductready.jpg
 
中央の水色のものが
ソックダクトです。
とりあえず設置しただけ
なので「ぶら下がって」
います。
冷風が通ると膨らみます。
 
 
sockducton.jpg
 
ソックダクトが取り付けられて
いる部分です。
皆さん、覚えていますか?
かつて、この形覚えておいて
くださいねと言いましたね。
あの部分にソックダクトが
付けられたのです。
 
エアコンが動き出すとこのソックダクトが膨らんで、その細かい目から冷風がにじみだしてくる
んですね。「やさいしい冷風」が部屋中に行き渡るようになっています。
もちろん、ほこりなどはソックダクトの目を通らないので部屋に広がらないですね。
食品工場などでは使われています。
 

2009.02.03(火)

未来の野菜を作る 植物工場建設風景 栽培棚 全体像

 
ここ何回か細かい作業を報告していたので「全体がどうなっているのかな?」という人もいると
思います。それでは全体像を少しだけ。
saibaitanafinished.jpg
 
栽培棚の骨組はこうなって
いましたね。
ジャングルジムみたいだと
言ったのを覚えていますか?
 
 
 
saibaitanabed.jpg
 
骨組に噴霧槽が付き、
蛍光灯が付きました。
 
 
 
 
 
 
 
 
こんな栽培棚が商業生産用に6ライン、そして私たちの自慢である「試験ライン」がひとつあります。
技術志向の会社としては不可欠ですね。