2011.06.30(木)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 植物工場への進出 投資額

 
植物工場への進出を検討する場合に最も注目されるのは「初期投資の金額」です。
大雑把に言っても「数千万円~1億円超」の金額が掛かります。
 
私たちのコンセプトは「遊休工場」を利用することで「建物」に投資しない(実際は借り受ければ
家賃が運営費として掛かりますが)ということで初期投資を減らしています。
それでも「数千万円から1億円」掛かるのですからかなりの投資です。
 
未知の世界に進出するのに「初期投資が大きすぎる」というのは筆者でも理解できます。
このため「始めは小さい工場」を作って、練習してから大きくしようという考えがあります。
 
この考え方はある意味では正しいのですが、実際にはなかなか難しい問題を含んでいます。
「小さい工場」では全く採算がとれません。
また、ある程度の規模の工場と小さな規模では運営ノウハウが全く違います。
「練習」してからとは言いますが、実際にはなかなか練習になりません。
 
また、よくある話で「店舗に設置できる小さな植物工場」と言われます。
これは全くの論外です。
店舗に設置できる「植物工場野菜の展示ショーケース」なら成り立ちます。
つまり、お客様に見て貰うのに見栄えのするのは「30~40日」の栽培期間のうち
「最後の1週間くらい」だけです。
お客様に見て貰える株の数の5~7倍の株数が裏に控えていなければならないのです。
こうなると、他の栽培設備で大きくしたものを最後の1週間くらい「店舗のショーケース」に
移すということになります。だから、「植物工場野菜の展示ショーケース」なのです。
 
「未知の世界」に大きな初期投資をして進出するという非常にリスキーなビジネスなのです。
だからこそ、経験豊富な「水先案内人」が必要なのです。
私たちはその「水先案内人」としての役割を「コンサルティング」で担えると考えています。
 
 

2011.06.28(火)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 植物工場への進出 総論

 
植物工場事業へ新たに進出しようと検討する会社はたくさんあります。
私たちの会社へもたくさんのコンタクトがあります。
私たちは「カネコ種苗㈱」と共同で、多段式噴霧水耕栽培設備(野菜工房開発)の販売も
行っています。 また、植物工場の一般情報から始まって、運営の状況などの情報を供給
するコンサルティングも行っています。
 
筆者がいろいろなところでお話する「農業への投資でも不確定要素を極力排除しなければ
ならない」ということは、製造業等で長年の経験のある方ならすぐにご理解いただけます。
天気に「あなた任せ」では経営は成り立ちません。
 
他の産業から新たに植物工場に進出しようとする会社の方が、比較的理解しやすいのが
「生産」の部分です。
生産部門では「不確定要素を極力排除」しているので、事業計画も作成しやすいのです。
製造業の人たちが作成している「事業計画」と基本の部分では同じと考えて良いと思います。
 
一方で、なかなか難しいのが「販売」です。
製造業の人たちの販売先とは全く違うマーケットに販売しなければならないからです。
この部分で悩まれる方が多いようです。
 
今回から数回にわたって「植物工場への進出」に関してコメントしてみたいと思います。
 
筆者にアドバイスしてくれる方の中には「植物工場が新しく出来ると競争相手が増えて
大変だよ」と言われる方がいらっしゃいます。
そういう方に、筆者は「植物工場が世間に認知されるにはもっと植物工場が増える必要が
あります」と説明しています。
安心・安全を追求している植物工場の生産品はまだまだ市場を開拓できると思っている
ので競争を心配するよりも、品質向上・コスト削減でお互いに競争した方が植物工場全体
では良い結果となると信じています。
 
 

2011.05.19(木)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 農業への投資 栽培ノウハウ

 
今回は「栽培ノウハウ」について述べてみます。
日本の農家には非常に高い「栽培ノウハウ」があります。
そのノウハウを広く普及するために長年努力してきたのは農協であり、地域の農林振興センター
だと思います。
 
植物工場にも「栽培ノウハウ」はあります。
特に、ある程度の規模(商業生産規模)の植物工場を運営するには「ノウハウ」が必要です。
栽培設備を購入すれば、すぐに生産できるというものではありません。
設備をハードとすれば、ソフトの「栽培ノウハウ」はより重要だと言えます。
 
「商業生産規模」の植物工場を運営する「ノウハウ」は大学の研究室にある「栽培技術」とは
必ずしも同じではありません。
大学の研究室にある研究用の小規模栽培設備を単純に大きくしてもハードとしての商業生産
設備になりませんし、研究室の栽培技術だけでは商業設備を運営するノウハウには足りません。
もちろん、アカデミックには大学の研究室の技術(ノウハウ)は、私たちのような商業生産設備を
運営する会社が持っているノウハウよりもずっと高度です。
 
最初に述べた農家の栽培ノウハウを今後どのように「継承」していくのかが現在大きな問題に
なっています。現在中心になって農業に従事している方の年齢は65歳以上の人が60%程度
だと言われています。一方で、新規就農者の数は非常に少なくなっています。
高度な栽培ノウハウが本当に継承されていくのかが心配されています。
 
一方で、私たち植物工場は株式会社形態で運営されているところがほとんどなので、社員の
間でノウハウが広まり、引き継がれています。
私たちは栽培ノウハウを現場の責任者ひとりに集中することは考えていません。
社員・パート従業員に限らず、どんどんノウハウを広めていくようにしています。
この点でも植物工場は将来の農業の担い手のひとりになりうると信じています。
 
 

2011.05.16(月)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 農業への投資 安心・安全

 
農業で良く言われる言葉に、「安心・安全」な農作物というのがあります。
私たちが目指しているのも「安心・安全」です。
 
農作物の「安心・安全」を語る時に「有機は安全」とか「太陽光を十分に吸収した健康な野菜」
という表現がよく言われます。
筆者自身も「情緒的」にはこれらの表現を理解できますし、否定しません。
 
この言葉の反対に「植物工場は有機栽培ではない」とか「太陽光を浴びてない野菜は不健康」
ではないかと言われることがあります。
「太陽光を浴びていない野菜は不健康」とまで言われると「ひと言」弁護させてくださいと言います。
 
太陽光を浴びると健康になるなら「サンローション」や「サングラス」はなぜつけるのでしょうか?
有機肥料が絶対安全で、無機肥料は危険なのでしょうか?
現代人は自然からある程度の距離を置くことで健康で長生きになってきたという歴史もあります。
 
自然崇拝は度を超すと危険です。
無機肥料も安全性の検査は十分受けたものしか商品化されません。
私たちが使っている自然光の蛍光灯は太陽光と同じ波長を発しています。
違うのは照射量だけだと思います。
虫の入るすき間のない設備なので「農薬」を全く使わないということで非常に安全な栽培方法
です。特に、葉物では虫の来る環境では農薬を全く使わないというのは非常に大変です。
 
冷静な判断をすれば「完全閉鎖型植物工場」の方が、より安心・安全な野菜を栽培できると
言っても良いと思います。(いろいろとご批判されることを覚悟で言います)
少なくとも確立論からすると危険な植物を生産する可能性は他の栽培方法よりも非常に少ないと
言って良いと思います。
 
 
 
 

2011.05.11(水)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 農業への投資 安定供給

 
農産物の安定供給について考えてみます。
従来の農業(特に露地栽培)は安定供給という点でなかなか上手く機能しませんでした。
天候に左右される「不作」「豊作」で一喜一憂せざるを得ませんでした。
この安定しない供給が青果市場での「相場の乱高下」を引き起こすのです。
 
教科書などには「需要と供給」で価格が決まるので相場が動くと書いてあるのですが、野菜の
相場は「供給量」の変化の方がより大きな影響を与えると思います。
野菜の需要は季節やイベントのより多少変化しますが、その変化はほとんど予想の範囲内です。
これに対して、野菜の供給は「天気」の具合で大きく変動します。
 
観点を変えて、安定供給は誰がより期待しているかということを考えてみましょう。
一般消費者がスーパーマーケット等の店頭で購入する場合でも「安定供給」で「価格も安定」
することは期待されています。
しかし、、より安定供給を期待しているのは「業務用」市場です。
 
コンビニの惣菜やお弁当を作る業者は必要な量の野菜が供給されないと決められたメニューが
作れなくなってしまいます。
また、価格もあまり上下すると予算通りのコストで製造できないので赤字になってしまいます。
 
天候の変化にかかわらず安定して生産できる農業は今後ますます重要になると思います。
そのためにも「完全閉鎖型植物工場」が更に必要とされる時代がすぐそばに来ています。