2011.05.19(木)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 農業への投資 栽培ノウハウ

 
今回は「栽培ノウハウ」について述べてみます。
日本の農家には非常に高い「栽培ノウハウ」があります。
そのノウハウを広く普及するために長年努力してきたのは農協であり、地域の農林振興センター
だと思います。
 
植物工場にも「栽培ノウハウ」はあります。
特に、ある程度の規模(商業生産規模)の植物工場を運営するには「ノウハウ」が必要です。
栽培設備を購入すれば、すぐに生産できるというものではありません。
設備をハードとすれば、ソフトの「栽培ノウハウ」はより重要だと言えます。
 
「商業生産規模」の植物工場を運営する「ノウハウ」は大学の研究室にある「栽培技術」とは
必ずしも同じではありません。
大学の研究室にある研究用の小規模栽培設備を単純に大きくしてもハードとしての商業生産
設備になりませんし、研究室の栽培技術だけでは商業設備を運営するノウハウには足りません。
もちろん、アカデミックには大学の研究室の技術(ノウハウ)は、私たちのような商業生産設備を
運営する会社が持っているノウハウよりもずっと高度です。
 
最初に述べた農家の栽培ノウハウを今後どのように「継承」していくのかが現在大きな問題に
なっています。現在中心になって農業に従事している方の年齢は65歳以上の人が60%程度
だと言われています。一方で、新規就農者の数は非常に少なくなっています。
高度な栽培ノウハウが本当に継承されていくのかが心配されています。
 
一方で、私たち植物工場は株式会社形態で運営されているところがほとんどなので、社員の
間でノウハウが広まり、引き継がれています。
私たちは栽培ノウハウを現場の責任者ひとりに集中することは考えていません。
社員・パート従業員に限らず、どんどんノウハウを広めていくようにしています。
この点でも植物工場は将来の農業の担い手のひとりになりうると信じています。
 
 

2011.05.16(月)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 農業への投資 安心・安全

 
農業で良く言われる言葉に、「安心・安全」な農作物というのがあります。
私たちが目指しているのも「安心・安全」です。
 
農作物の「安心・安全」を語る時に「有機は安全」とか「太陽光を十分に吸収した健康な野菜」
という表現がよく言われます。
筆者自身も「情緒的」にはこれらの表現を理解できますし、否定しません。
 
この言葉の反対に「植物工場は有機栽培ではない」とか「太陽光を浴びてない野菜は不健康」
ではないかと言われることがあります。
「太陽光を浴びていない野菜は不健康」とまで言われると「ひと言」弁護させてくださいと言います。
 
太陽光を浴びると健康になるなら「サンローション」や「サングラス」はなぜつけるのでしょうか?
有機肥料が絶対安全で、無機肥料は危険なのでしょうか?
現代人は自然からある程度の距離を置くことで健康で長生きになってきたという歴史もあります。
 
自然崇拝は度を超すと危険です。
無機肥料も安全性の検査は十分受けたものしか商品化されません。
私たちが使っている自然光の蛍光灯は太陽光と同じ波長を発しています。
違うのは照射量だけだと思います。
虫の入るすき間のない設備なので「農薬」を全く使わないということで非常に安全な栽培方法
です。特に、葉物では虫の来る環境では農薬を全く使わないというのは非常に大変です。
 
冷静な判断をすれば「完全閉鎖型植物工場」の方が、より安心・安全な野菜を栽培できると
言っても良いと思います。(いろいろとご批判されることを覚悟で言います)
少なくとも確立論からすると危険な植物を生産する可能性は他の栽培方法よりも非常に少ないと
言って良いと思います。
 
 
 
 

2011.05.11(水)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 農業への投資 安定供給

 
農産物の安定供給について考えてみます。
従来の農業(特に露地栽培)は安定供給という点でなかなか上手く機能しませんでした。
天候に左右される「不作」「豊作」で一喜一憂せざるを得ませんでした。
この安定しない供給が青果市場での「相場の乱高下」を引き起こすのです。
 
教科書などには「需要と供給」で価格が決まるので相場が動くと書いてあるのですが、野菜の
相場は「供給量」の変化の方がより大きな影響を与えると思います。
野菜の需要は季節やイベントのより多少変化しますが、その変化はほとんど予想の範囲内です。
これに対して、野菜の供給は「天気」の具合で大きく変動します。
 
観点を変えて、安定供給は誰がより期待しているかということを考えてみましょう。
一般消費者がスーパーマーケット等の店頭で購入する場合でも「安定供給」で「価格も安定」
することは期待されています。
しかし、、より安定供給を期待しているのは「業務用」市場です。
 
コンビニの惣菜やお弁当を作る業者は必要な量の野菜が供給されないと決められたメニューが
作れなくなってしまいます。
また、価格もあまり上下すると予算通りのコストで製造できないので赤字になってしまいます。
 
天候の変化にかかわらず安定して生産できる農業は今後ますます重要になると思います。
そのためにも「完全閉鎖型植物工場」が更に必要とされる時代がすぐそばに来ています。
 
 
 

2011.05.05(木)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 農業への投資 IT化

 
農業に対するコメントでよく言われるのが「農業のIT化」です。
筆者の考え方では、通常の農業でIT化できるのは投入コストの管理だけだと思っています。
栽培作業自体をすることはほとんど無理なのです。
 
IT化というのは単なる管理データを採るだけではありません。
本来のIT化とは「状態把握(センサリング)」「分析」「対応(リアクション)」がセットです。
通常の農業では最後の「対応(リアクション)」ができないと考えています。
 
状況把握(センサリング)は農場のあちこちにセンサーを置いて情報収集はできます。
「温度」「湿度」「水分量(雨量)」「日照時間」「PH」などを自動的に計測することは可能なのです。
また、その情報を「分析」することも可能です。
「温度が高過ぎる」「雨量が足りない」「曇りばかりで日照時間が少ない」などの分析はできますし、
もうちょっと「温度を上げよう」「雨を降らせよう」「太陽光をもっと当てよう」という「対応策」も
立てられるます。
でも実際に露地の農業でどうやって「温度を上げるのでしょうか」「雨が降らせますか」「雲を
取り除けますか」。対応(リアクション)が採れる範囲が極端に少ないのです。
 
通常の農業でのIT化は「計画通りに収穫ができなかった理由(言訳)」を収集しているに過ぎない
のです。
 
温室(ハウス)であれば、多少は対応(リアクション)が取れます。
冬ならば重油を燃やして温度を上げることができます。日照が強すぎれば遮光カーテンを
かけることも可能です。それでも、対応できるレベルはかなり限られます。
夏場のハウス内の温度は外気温より5~7℃位高くなります。
 
IT化の効果をあげるためには私たちのような「完全閉鎖型植物工場」でなければ無理です。
そして、IT化するためにはマニュアル化という工程が必要ですが、このためには商業規模の
植物工場を運営する「ソフト」が十分確立している必要があるのです。
 
 
 

2011.05.02(月)

未来の野菜を作る 無農薬野菜 AAAレタス 農業への投資 栽培試験

 
今回は「栽培試験」について個人的な意見を述べたいと思います。
前回までに「不確定要素」を出来るだけ排除することが農業への投資のポイントだと説明
しました。この不確定要素が今回の課題である「栽培試験」にも大きく影響しています。
 
栽培試験というのは農業では重要なものと位置づけられています。
日本では公的な「農業試験場」というのがあり、そこで世界的に見ても高度な研究・試験が
行われています。
個々の農家が行うには「費用」と「時間」が掛かり過ぎるので公的機関が行っているのです。
 
なぜ、費用と時間が掛かるのか?
それは露地の農業では「基本的に年に一回しか収穫できない」「試験中でも不確定要素が
関与」するので結果の評価が難しいという理由があります。
このために、「時間」をかけて試験して、結果の評価はアカデミックな修正を加えなければならない
ためです。
 
分かりやすく具体的に言えば、「ある品種の収穫量」を試験するのに「今年は雨が少なかった」
「気温が低かった」という不確定要素が関与してきます。
「比較対象(コントロール)」として別の品種をなるべく同じ条件になるような条件で栽培する
のですが、露地なので完全に同じ条件とはいきません。
結果として「収穫が多かった」「期待ほどではなかった」という評価をするには「比較対象」と
比べているとはいえ「最低3回」は行わなければならないというのが一般的です。
原則として「年に一回の収穫」ですから、最低3年はかかるということです。
これが従来型農業の実態です。
 
一方、私たちのような「完全閉鎖型植物工場」では「環境は原則として同じ」に出来るということと
一年に365回(これはちょっと極端な言い方になりますが)は播種(種まき)をして365回収穫
できるわけですから「試験の結果評価」が非常に早くなります。
また、個々の会社で試験をすることも比較的安価に早く出来ます。
つまり、個々の会社が自分たちの考え方に従って「品種」「肥料」「光源」「温度」などの試験が
出来るので会社ごとの特徴が出し易くなります。