2011年10月アーカイブ

 

このところずいぶん寒くなりました。

天気予報では、また少し暖かくなるという話もありますが、季節は確実に秋になっています。

秩父も先週前半は夜は「5℃」の日もありました。(自動車の温度計)

 

紅葉の季節ですが、まだ秩父市内は「紅葉」まではいっていません。

kouyou oct24.jpg

 

10月24日(月)の

写真です

今から1週間前です

まだまだ紅葉とは

呼べませんね

 

 

 

我家の玄関横の木だけは既に紅葉しています。写真をみてください。

kouyou ie.jpg

 

ここだけは

秋真っ盛りです

 

 

 

 

 

 

 

 

今年は9月いっぱい夏の様相で、10月に入っても寒かったり、暑かったりという日が繰り返して

いるので「一斉に紅葉する」というのは望めないと天気予報の人が言っていました。

これから「家の近くの定点観測」をしていきたいと思います。

 

 

 

 

10月31日はハロウィンです。

本来はヨーロッパ発祥のお祭りですが、北米でも広く普及しています。

ここ数年は日本でもお店の飾りつけで多くなりましたね。

 

筆者の家の季節のオブジェ(そんなに立派なものではない)もちょっと前からハロウィンに

なっていました。

halloween1.jpg

 

ハロウィンの

雰囲気でしょ

 

 

 

 

 

 

 

 

halloween2.jpg

 

タペストリーです

まぜか「招き猫」が

います

 

 

 

 

halloween3.jpg

 

 

最近はこんな

小物がたくさん

売ってます

 

 

 

halloween ashifuki.jpg

Trick or Treat

分かりますか?

子供がハロウィンの

時に家々を訪ねて

言う言葉です

「お菓子ちょうだい、

さもないと祟るよ」

という脅しですね

 

筆者の経験では、北米の子供はハロウィンの夜に全く知らない家でも声をかけます。

家の方でも「お菓子」を用意して待ってます。

中には、家での人達が「怖いお化けの格好」をして、子供を脅かすこともあります。

 

 

 

東洋文庫、オリエントカフェのすぐ近く(駒込駅のそば)に「六義園(りくぎえん)」という素晴らしい

公園があります。

現在は東京都が管理していますが、もともとは「柳沢吉保」が作ったと言われる「庭園」です。

サイトでの説明をご覧ください。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AD%E7%BE%A9%E5%9C%92

 

オリエントカフェのシェフと商談した後に、すぐそばなのでちょっと寄ってみました。

入園料が300円掛かりますが、中に入ると東京にあるのを忘れてしまうほどの静けさです。

周りのビルもほとんど見えないような木々の配置です。

rikugien ike.jpg

 

手前の小道の

向こう側には

大きな池が

あります

この角度からだと

ビルは全く見えせん

 

 

rikugien hyouji.jpg

 

入口近くに

こういう表札(?)が

あります

「りくぎえん」と

読みます

 

 

 

 

 

東京には都心にありながら素晴らしい静けさを保っている公園がいくつもありますが、その中でも

この六義園は落ち着いた素晴らしい公園(庭園)です。

 

 

 

私たちのレタスを使ってくれる新しいレストランが開店しました。

10月20日に駒込にある「東洋文庫」のなかに開店した「オリエントカフェ」です。

小岩井農場直営のレストランです。

従来から私たちの野菜を使ってくれている、丸の内ビルの5階にある「小岩井フレミナール」の

兄弟店という位置付けでしょうか。

 

オリエントカフェのイメージ写真をご覧ください。

http://www.koiwai.co.jp/restaurant/orientcafe/index.html

 

筆者が撮ったオリエントカフェの看板です。

orient cafe.jpg 

 

 

 

 

 

 

 

このオリエントカフェがある「東洋文庫」はかなり学術的な場所のようです。

その説明によると「広くアジア全域の歴史と文化に関する東洋学の専門図書館ならびに研究所」

ということです。サイトは http://www.toyo-bunko.or.jp/about/ をご覧ください。

orient library.jpg 

威厳のある建物

です

図書館や研究所が

あります

 

 

 

筆者は開店前のレストランをちょっと覗いただけですが、きれいな庭に面した素敵なレストラン

でした。一度みなさまも訪れてください。

 

 

 

植物工場という「ひとくくり」で、採算性を議論することには無理があります。

同じ業界でも「儲けている」会社もあれば、「儲からない」会社もあります。

経営者の手腕が採算性を左右するということだと思います。

 

それでも、一般的に言って植物工場を運営する場合には「資金」「運営ノウハウ」「販売」だと

思います。

 

典型的な「設備産業」である植物工場は、売り上げが伸びてきて、生産能力が足りなくなると

新しい設備を建設するしかないのです。

作業のシフトを増やして(残業)しても、生産量は増えないのです。

このために、「資金」は非常に重要なファクターです。

 

次は「運営ノウハウ」です。

前回にも説明しましたが、資金があると言って設備を購入しても、運営ノウハウ(ソフト)がないと

品質の良い野菜はできません。

 

そして最後に「販売」です。

高品質の野菜ができても、販売先がないと売上になりません。(これは当然のことですが)

特に、野菜は「生鮮物」なので販売のタイミングが合わないと無駄になってしまいます。

また、品目ごとに販売が適合しないと「売るものはあるのに」お客さんの「希望する品目が

ない」ということになります。難しいものです。

 

「資金」「運営ノウハウ」「販売」がうまく連動して採算性が向上するのです。

これはあまりに「当たり前」のことで、何も植物工場に限らないのでしょうが。

 

植物工場特有のものとしては、「生産規模」についてコメントしたいと思います。

 

商業規模としては「日産1000株」くらいのものが、小さい工場だと思います。

この規模では「なかなか採算にのせる」のは大変です。

不可能とは言いませんが、利益が出ても大きな利益にはなりません。

 

筆者の経験とこれまでの数字から判断すると「日産2000~2500株」くらいないと期待する

ような利益はなかなか生まれません。

この規模は採算性を維持する良い規模であり、一方で社員(技術者)ひとりの目が届く規模

ではほぼ限界だと思います。

これ以上大きなものを建設しようと思うなら、「2000~2500株」をひとつのユニットにして

複数ユニットをそれぞれの担当者(技術者)が管理するという手法が良いと思っています。

 

 

 

ハワイ旅行の第二回です。

ダイヤモンドヘッドに行って来ました。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%98%E3%83%83%E3%83%89

 

この場所は海に面した場所で「沿岸警備」に最適だと言われています。

実際に軍事要塞として使われていたそうです。

 

ふもとの駐車場から山道を頂上まで登ります。

案内によると1km程度の道のりだそうですが、往復で1時間~2時間はかかるようです。

筆者も登りました。意外とスムーズに登れました。

waikiki view from diamond head.jpg

 

頂上から見た

ワイキキ地区です

 

 

 

 

 

crater from diamond head.jpg

 

登ってきた道が

見えます

かなりの高さです

 

 

 

 

最後に、ワイキキ地区で見た「驚いた光景」です。

Udon in Hawaii.jpg

 

ワイキキにある

「丸亀うどん」です

 

 

 

 

 

丸亀うどんがあるだけなら、「そうかハワイにも進出しているのだな」だけなのですが

実は「長蛇の列」なのです。千客万来です。

日本人も若干いましたが、大半が白人でした。

「健康的なイメージ」と「天ぷら」が食べられるので受けているのでしょう。

値段は日本よりちょっと高めという感じですね。

 

 

 

 

このブログが10月14日~18日まで更新されなかったのは筆者が個人的事情で海外(ハワイ)に

行っていたからです。(個人的事情とは子供の結婚式出席という事情です)

 

そのハワイの様子を今回と次回の2回で紹介したいと思います。

筆者自身は30年以上前に一度だけハワイに行ったことがありますが、その記憶はほとんど

残っていませんでした。だから、ほとんど初めてと言っていい状態でした。

 

正直なところ、ワイキキ地区は典型的な観光地で「日本語だけ」でほとんど何でも可能という

状況です。海外旅行の初心者コースとしては良いと思います。

 

ハワイと言えば、いろいろな気持ちはあるにしても「パールハーバー(真珠湾)」に行ってみようと

いうことになりました。

皆様、ご存じの「真珠湾攻撃」の舞台です。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9F%E7%8F%A0%E6%B9%BE

 

現在のパールハーバーには、真珠湾攻撃で沈没した「戦艦アリゾナ」がそのまま湾内に沈んで

いるそうです。その海面には沈んだままになっている「戦艦アリゾナ」が見えるように見学設備が

浮いています。

 

私たちは夕方近かったということで、「戦艦ミズーリー」を見学しました。

これは「最後の戦艦」と言われ、第二次世界大戦中に作られながら、イラク戦争(砂漠の嵐作戦)

にも参加しているという船です。

有名なのは第二次世界大戦での「日本の降伏文書」をこの船のうえで調印したというものです。

説明のサイトを見てください。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%82%BA%E3%83%BC%E3%83%AA_(%E6%88%A6%E8%89%A6)

 

筆者が撮った写真はこんな感じです。

battleship.jpg

 

ブリッジの部分だけが

写っていますね

本当は大きな船です

 

 

 

 

pearl harbour.jpg

 

パールハーバーの

入口にあります

 

 

 

 

 

私たち日本人(大人5人+赤ちゃん)が、戦艦ミズーリまでのシャトルバスを待っていると

一緒のバスを待っていたカナダ人(多分)のじいさんが、係の人に「日本人がこんなにいっぱい

来るのをどう思うのか?」と聞いていました。

掛かりの人は「今は友達だよ」とかわしていましたが、まだまだ複雑な感じはありますね。

 

戦艦ミズーリの見学で印象に残ったのは、「神風特攻隊のパイロットの遺体」を水葬で丁寧に

葬ったという話です。

艦上に残された遺体(かなり傷んでいた様子)を船員の中には「捨ててしまえ」と言う人も

いたようです。しかし、艦長が「私たちが国のために戦っているとの同じで、このパイロットも

国のために戦ったのだ」と言い、「水葬」で丁寧に葬ったという話がありました。

 

 

 

第3次植物工場ブームと呼ぶ人がいます。

植物工場が話題になることが多いという意味では「ブーム」と言えるかもしてませんが、

日本中でドンドン植物工場が建設されているというのとはちょっと違うと思います。

 

植物工場を作るとなると、商業生産規模の小さなもの(日産1000株くらい)でも1億円前後

掛かることが多いのです。

これだけの資本を投入するのはそんなに簡単なことではありません。

一般に「政府の補助金が出るだろう」と言われますが、実際には1年半くらい前に第3次補正

という枠で「植物工場への補助金」が出されたのを最後に「植物工場への補助金」は制度上

ありません。(産地収益力向上、農家が共同して作る施設園芸というくくりで可能性はありますが)

 

一方で、大きな初期投資をしたけれど「運営ノウハウ」がない会社もあります。

植物工場は「工場」だから、ハードを買えば(それも高い金で)良い品質の野菜ができると

思われがちですが、これは違います。

完全閉鎖型の植物工場では「ハード」はもちろん必要ですが、運営の「ノウハウ(ソフト)」が

より重要だと私たちは考えています。

 

「クリーンルーム」建設の技術があるから植物工場の販売を展開するという大手建設会社

ありますが、これは必ずしも的を得ていません。

いわゆる半導体製造などで使われる「クリーンルーム」は「パーティクル(ホコリ)」がどのくらい

あるかという観点で作られます。「NASAのいくつ」などという基準ですね。

私たちの栽培室は、「菌数をどれだけコントロール」できるかということが重要なポイントです。

この菌数はハードだけでコントロールできるものではありません。ソフトがより重要なのです。

 

また、小さな実験室でノウハウを取得してから商業規模の設備に投資しようという考え方も

必ずしも的を得ていません。

小規模での栽培技術は基礎にはなりますが、規模の大きな商業生産では全体をコントロール

する「運営ノウハウ」があるのです。

ハード的にも小規模なものを「そのまま」大きくしたら、商業規模の設備になるという考え方も

間違いです。大きな空間の環境をコントロールするにはそれなりのノウハウが必要です。

 

これから商業規模の植物工場の運営に参入しようといく方は、「実際に植物工場を運営している」

ところから話を聞いて、そこの技術やノウハウを導入する方法を考えるべきだと思います。

そのためにも、わたしたちのようなコンサルティングが必要になると考えています。

(ちょっと生意気ですね。)

 

 

 

私たちの会社(株式会社 野菜工房)は「JAちちぶ(秩父農業協同組合)」の准組合員です。

認定農業者になった時に加盟しました。

その後、筆者も代表者で年間150時間以上農業に従事しているということで「正組合員」に

なっています。つまり、会社も個人もJAのメンバーです。

 

それでも、私たちはJAに全く出荷していません。直売所も利用していません。

理由は簡単です。私たちのビジネスモデルの中にJA流通が入っていないからです。

出荷時に価格の決まっていない、自社で価格交渉ができない、流通方式には非常に違和感

があります。

 

大量に、その日収穫されたものを「全て」出荷できるというメリットは感じるのですが、一度手を

離れた私たちの生産物がどのルートを通って「いくらで」納入されるのかが分からないと

私たちが直接交渉している顧客に別ルートから「同じ商品が、全く違う価格」で納入される

可能性があるのです。

私たちは責任を持って、品質・価格を交渉していますので、別の価格で販売されると私たちの

信用にもかかわります。

 

JAの基本的なコンセプトは「組合員平等」というものです。

この観点から同じ品目であれば、同じ価格にならざるを得ません。

極端な言い方をすれば「品質の差」は認められないのです。

 

もともと農家でJAの有力なメンバーだった人が、JA外の流通を利用し始める場合の理由は

大半が「自分たちの品質」をきちんと評価して欲しいというものだと聞いています。

農業法人も同じような理由だと思います。

 

もちろん、農協には肥料、農薬、種などの代金を立て替えてくれたり、必要な保険や融資を

してくれたり、新しい農業技術の指導をしてくれたりとたくさんの重要な機能があります。

これで助かっているメンバーの方が非常に多いということは間違いないと思います。

その点で、私たちも活用できる機能はどんどん活用されて頂こうと思っています。

 

 

 

今回は、植物工場ではどんな品目を作っているのでしょうか? ということをコメントしてみたい

と思います。

 

私たちは「リーフレタス」「フリルレタス」「サラダ菜」「サニーレタス」「水菜」の5品目を生産して

います。

この他に「試験栽培」として「ルッコラ」「バジル」などの「ハーブ類」、「パセリ」「大葉」なども

作ったことがあります。

 

よく聞かれる質問に「植物工場ではどんな植物が作れるのですか?」とか「なぜレタスを

作るのですか?」というものがあります。

 

これらの質問には「植物工場では作ろうと思えば何でもできます」と答えます。

これに加えて「生産効率や商売上を考えると「葉物野菜」(レタスなど)になります」と答えています。

実際に私たちでも「かぶ」(根菜類)を作ったこともありますし、大手町の地下で生産している

パソナは「稲(米)」を作っています。

 

「作ろうと思えば作れる」のと、「効率的に」とか「売れる品目」を作るという観点では違ってくるの

です。

私たちのレタスは「無農薬」です。露地栽培で「無農薬」を商業的に作るのは現実的には難しい

ので、露地野菜と競合しない「無農薬レタス」を作っているのです。

 

また、「低細菌」を目指している私たちにとっては「養液(細菌が多い)」を商品に吹きかけるのは

絶対に避けなければならないことなのです。

養液は「根」に吹きかけているので、「商品が根」である「根菜類」では「商品の菌数が高くなる」

という事態が避けられません。

つまり、私たちのセールスポイントのひとつである「低細菌」が根菜類では達成できないのです。

 

「低細菌」で「無農薬」がアピールできる品目を考えると自ずと「葉物野菜」になるのです。

通常の農業(露地栽培やハウス栽培)で比較的多くの農薬を使わざるを得ない品目として

「パセリ」「大葉」があります。これも品目を決める際の重要なポイントです。

 

 

 

植物工場の特色は「年間を通して、同じ品質で、同じ価格で、計画的に納入」するという

ものです。この特徴は「業務用」の方には非常に評価されます。

家庭用などでは「旬を感じられない」ということになり否定的に取られることもあります。

 

一方で、私たちの野菜は「無農薬」「低細菌」「低硝酸」を PRポイント にしています。

 

露地で栽培される「葉物野菜」では、実質的に「無農薬」を商業生産することはできません。

努力している農家の方でも「低農薬」です。

その点で「葉物野菜」で無農薬にすることは、露地野菜との競争をしないということです。

 

「低細菌」については、「1g当」の「一般生菌数(いわゆる雑菌)」の数で表します。

通常の露地野菜は「10の6乗個(100万個)」単位の雑菌がいます。500万個や700万個と

いうレベルです。

その露地野菜を「次亜塩素酸ナトリウム」という強烈な塩素で殺菌して「10の4乗個」まで

減らせると言われています。このレベルが厚労省が食品産業に指導しているものです。

 

私たちの野菜は「10の3乗個」のレベル以下ですと説明しています。

実際に分析すると「10の2乗個」レベルが大半です。200個とか500個とかいうレベルです。

だから、「殺菌」や「洗浄」をしなくても使用できるレベルなのです。

他の植物工場でも私たちのレベルで細菌をコントロールしているところはないと思います。

通常は「10の4乗」レベルだと聞いています。それでも露地に比べると「低細菌」です。

 

最後に、「低硝酸」です。

この硝酸塩は味の観点からいくと「エグミ」(嫌な苦み)の基です。

通常の露地栽培のレタスが「4000~5000ppm」のところ、私たちのレタスは「2500ppm」を

切るレベルです。この違いは食べて貰うと「エグミのないおいしいレタス」と評価して貰えます。

硝酸塩を意図的に低く抑える作業をしているのは多分私たちの会社だけだと思います。

 

このように植物工場では、品質について栽培工程で工夫することが可能なのです。

将来的には「更に付加価値の高い」野菜を目指して努力をしていきたいと思います。

 

 

 

今回は植物工場産野菜の流通方法についてコメントしてみたいと思います。

 

私たちの野菜はいわゆる「青果市場」には全く出荷していません。

JAについても直売所も含めて全く出荷していません。

ホテルやレストランに直接納入しています。いわゆる「直売方式」ですね。

百貨店やスーパー向には「帳合」と呼ばれる業者を通している場合もありますが、野菜自体は

ほとんど各店舗や物流センターに直接納入しています。

 

通常の農家の方は、JAに納入して、青果市場で売買されています。

これが従来から行われている青果物の流通形態です。

最近は農業法人が直接スーパーやレストランに販売するという形式も増えてきましたが、

まだまだ大半の農家はJA流通です。

 

私たちはJAを否定するつもりは全くありませんが、最終消費者に届くまでに多くの業者が

介入することに抵抗感があります。

また、出荷する際に価格が決まっていないという商売には大きな違和感があります。

自分たちが作ったものには自分たちが価格を決めたいという気持ちが強くあります。

 

野菜に限らず、食料品やその他の消費財でも流通が複雑だというのは日本の特徴だと

思います。これからは徐々にではあるでしょうが、変わっていくと思います。

 

 

 

前回は露地野菜との価格比較についてコメントしましたが、今回は植物工場産の価格でも

本当に高いのかという観点からコメントしてみたいと思います。

 

この問題は「歩留まり」と「使い勝手」という2つのポイントで考えます。

 

まずは「歩留まり」です。

私たちの野菜は、家庭でもレストランの厨房でも袋から出してほとんど全部使えます。

通常の露地野菜は「外葉」や「おに葉」と言われるものが付いているので、取りながら内側の

部分を使います。到着した時の状態に寄るのですが、この量が案外多いのです。

 

業務用などでは「外葉をはずし」「異物除去」のための洗い」「殺菌」「水切り」などをしていくと

歩留まり50%程度だと言われています。状態の悪い時は40%を切る場合もあるそうです。

家庭用でもかなりの「廃棄」が起こります。

廃棄した部分もお金を払っていたわけですから50%廃棄なら、使っている部分の価格は2倍

です。

 

次は「使い勝手」です。

私たちの野菜は「低細菌」なので、一般生菌数という観点からは露地野菜を「殺菌剤で洗った

もの」よりも細菌数が少ないのです。洗わずに使えるのです。

このために、洗う「手間が省ける」というばかりにでなく、水っぽくないパリパリしたレタスを

食べられます。

 

家庭用では「お母さん」が手間をかけてくれた「愛情の詰まった」料理が評価されますが

業務用では「省力化」するということも非常に重要なことです。

厨房の人数も昔ほど多くないので「使い勝手」が良いということは評価されます。

 

「歩留まり」で2倍の価格までは受入られる、「使い勝手」の良さで省力化できる。

それに加えて、私たちのアピールしている「無農薬」と「おいしい(低硝酸)」という高品質を

どう評価するかとなります。

 

決して「高い」ことはないという考え方もできます。

実際に私たちのレタスを大量に使ってくれているシェフの中には「最初は高いと思ったけれど

使っていると必ずしも高い感じがしなくなった。むしろ安いくらいだね。」と涙が出るようなことを

言ってくれるシェフもいます。ありがたいことです。

 

 

 

植物工場で生産される野菜の価格は一般的には露地野菜に比べて高いと言われています。

露地野菜の3倍くらいだという人が多いようです。

 

植物工場は「初期投資」が大きく、運営コストも「人件費」「電気代」「輸送費」などがかかるので

高くならざるを得ないということは事実です。

露地野菜に比べて3倍くらいというのも「そうかな・・・」という感じです。

 

「そうかな・・・」という意味は「露地野菜」のコストは本当なのだろうか?という疑問があるのです。

普通の農家は「人件費」を本当にきちんと計算しているのでしょうか? 初期投資(農地の購入)は

きちんと計算しているのでしょうか?

そして、決定的なのは「コストを計算して価格を決めているのだろうか?」ということです。

 

普通の農家(農業法人で大規模経営をしているところは別)は、野菜をJAに出荷して、JAは

市場に繋いで、市場はセリで価格を決めてという仕組みです。

農家は出荷した時点で「価格がいくらなのか?」が分かりません。

市場の相場で「いくらになった」と後で知らされるのです。

 

その「相場の価格」は「生産コスト」とは全く「関係ない」のです。

だから、相場が下がって輸送費も出ないからと「畑でキャベツをつぶしている」という光景が

テレビなどで放送されるのです。

 

何もこの構造は日本だけの問題ではありません。

農業先進国であるアメリカの農家だって「シカゴ相場」で売らざるをえないの同じです。

それでもアメリカの農家はインターネットを使い「シカゴ相場」を見ながら自分で保管する穀物を

「いつ出荷するか」を決めています。

インターネットが普及する前でも「衛星通信」を使って相場を見ているのを若き日の筆者は実際に

見ています。郊外の農家には大きなパラボラアンテナがありました。

 

もちろん、鮮度が命のレタスなどの野菜は出荷のタイミングを決めるのに限界があるのも事実です。

でも、農家の方が自分たちの生産物の価格を自分たちが関与して決めていこうという態度は

日本とはかなり違うと感じています。

 

自分たちで生産したものの価格は自分たちで決めたいというのは自然なことだと思います。

日本でも大きな農業法人ではJAを通さない直接販売で価格交渉を自分でしているところが

出てきています。

ここではJAの存在が大きな「意味」を持ってくるのだと思います。

 

 

 

このブログの最近の話題は「植物工場」や「農業」から若干離れた「秩父良いとこーーー」が

多くなっていると感じていました。

正直に言うと、3年近くのブログで植物工場の基本的な話題はかなり言いつくしたという

気持ちがありました。

そこで、あえて「自分の意見」、見方によっては「偏見」が入っても「もう一度植物工場を語ろう」

と考えました。農業雑感のひとつと考えてください。

 

これから何回かに分けて、植物の「供給力」「価格」「流通」「品質」「品目」「JAとの関係」

「建設」「採算性」についてコメントしたいと思います。

 

第1回は「供給力」についてです。

植物工場は「レタスを中心」とした「葉物野菜(葉菜類)」を生産しています。

レタスで言えば「日本中の消費量は凡そ55万トン」と言われています。

もちろんのことですが、その大半は「露地栽培」です。

 

いわゆる植物工場はそのうちでどのくらいあるのでしょうか?

正確な統計は出ていませんが、せいぜい「2000トン」くらいだと考えられています。

そのシェアは「0.3~0.4%」程度なのです。

筆者は個人的に、このシェアが将来的には「10%」程度までいくのではないかと予想しています。

現状の30倍くらいの市場が植物工場の将来にあると言えます。

 

この「10%」というのに確たる確証はありません。

品質的には露地物と大きく違うが、価格的にもかなり高い植物工場の野菜は「安心安全に強い

興味を持つ人」「価格よりも品質を重視する人」などが「高い価格」を負担しても買ってくれるのだ

と考えています。この人達が全体の10%程度かなと。

 

上記の10%は市販用を中心に考えての数字です。

業務用では、また違う考え方ができると思います。

その点は次回の「価格」でコメントします。

 

 

 

秋を迎えて「勉強のシーズン」なのでしょうか? また、第三次植物工場ブームなのでしょうか?

いろいろなセミナーの連絡が来ます。

その中に、「群馬県ものづくり研究会」というところから、私たちのHP経由で次のような案内が

届きました。

 

「技術講演会「植物工場の現状と今後」のご案内

 現在、植物工場は第三次ブームを迎えていると言われています。安全・安心な野菜を安定して

 供給できる「野菜工場」は、消費者ニーズに合ったものであり、県内にも、相次いで野菜工場が

 設立・稼働されています。

 このような背景から、植物工場は、今後の発展が期待されている分野と言えます。

 群馬県ものづくり研究会では、技術講演会「植物工場の現状と今後」を開催し、植物工場研究の

  先駆者である高辻正基氏をお迎えして植物工場の現状と将来性について御紹介いただきます。」

 

植物工場に多くの人が興味を持ってくれるのは非常に歓迎すべきことだと思っています。

このようなセミナーは他にもたくさんあるようです。

 

多少宣伝になりますが、「日刊工業新聞」主催の有料セミナーがあり、このセミナーでは筆者も

講師のひとりになっています。サイトをご覧ください。

http://www.nikkan.co.jp/edu/semi/t11110928.html

 

 

 

かつてこのブログで紹介したこともある「㈱大泉野菜工房」を訪問しました。

私たちと同じ「完全閉鎖型噴霧水耕栽培」システムを採用した本格的(商業生産規模)な

植物工場です。群馬県邑楽郡大泉町にあります。

 

この会社のオーナーは植物工場野菜を世間に普及させることを目的にこの会社を運営している

とのことで、工場に設置された「直売所」で販売をしています。

ooizumi chokubaisho.jpg

 

販売用冷蔵ケースの

様子ですね

小さなのぼりもあります

 

 

 

 

この直売所の営業時間は次の通りです。

ooizumi eigyoujikan.jpg

 

午後に休憩時間が

あるのでご注意ください

 

 

 

 

オーナーは植物工場野菜の認知度を上げるためにこんなトラックも作ってしまいました。

このトラックで近くの所へは配達したり、訪問販売を行っているとのことです。

ooizumi truck.jpg

 

楽しそうな家族が

描かれている

かわいいトラックです

 

 

 

 

大泉町というのは群馬県太田市の隣です。

近くに行かれた際には是非とも寄ってください。

 

 

 

筆者の個人的都合でブログ更新を約1週間出来ませんでした。

筆者はサラリーマン時代から、特に外部の人に対して「忙しい」というのは言わないように

してきました。せいぜい「バタバタしています」という言葉を言うくらいでした。

外部の人に対して(特に営業先の人に)「忙しい」からと言い訳するのは社会人としてダメだと

考えていたのです。

それでも実際には忙しいこともあります。

だからブログ更新が出来なかったという言い訳です。言ってはいけないことですね。

 

そんな忙しいという筆者が日曜日にトライアスロンを見に行きました。

忙しいのに日曜日に休んでいるじゃないかと言われるのは覚悟のうえです。

(今時そんなことをいう人はいないでしょうが、筆者が若いころは「寝てるんだろ?」と言われた

 こともあります。)

 

大学生のトライアスロン(学生連合)のシーズン最後の試合です。

スプリントと言って「スイム750m」「バイク20km」「ラン5km」という通常の学生選手権の

半分の距離です。

 

この試合で「宇佐美彰朗さん」を見ました。

皆さんの中でこの人の名前を聞いて「マラソン」選手と分かる方はかなり少ないと思います。

1970年代に活躍した方です。

オリンピックも「メキシコ」「ミュンヘン」「モントリオール」と3回出場している方です。

インターネットの説明です。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E4%BD%90%E7%BE%8E%E5%BD%B0%E6%9C%97

 

この宇佐美さんがスターターをしていました。

東海大学の名誉教授で、「全日本学生トライアスロン 連合会長」をされているのです。

Mr. Usami start.jpg

 

 

スタートのホーンを

掲げているのが

宇佐美さんです

 

 

 

 

 

 

gakuren start.jpg

 

スタートの前の

様子ですね

 

 

 

 

 

swim kaijyo.jpg

 

スイム会場の

全景です

 

 

 

 

 

トライアスロンは最近でこそ「名前は知っている」という方も多くなりましたが、まだまだマイナー

スポーツです。

学生の全国大会でも見に来る人はほとんどが関係者です。

もっと普及することを願っています。

企業ではNTTや西濃運輸などがサポートしてくれています。

全くの個人的な思いのブログでした。