第3次植物工場ブームと呼ぶ人がいます。
植物工場が話題になることが多いという意味では「ブーム」と言えるかもしてませんが、
日本中でドンドン植物工場が建設されているというのとはちょっと違うと思います。
植物工場を作るとなると、商業生産規模の小さなもの(日産1000株くらい)でも1億円前後
掛かることが多いのです。
これだけの資本を投入するのはそんなに簡単なことではありません。
一般に「政府の補助金が出るだろう」と言われますが、実際には1年半くらい前に第3次補正
という枠で「植物工場への補助金」が出されたのを最後に「植物工場への補助金」は制度上
ありません。(産地収益力向上、農家が共同して作る施設園芸というくくりで可能性はありますが)
一方で、大きな初期投資をしたけれど「運営ノウハウ」がない会社もあります。
植物工場は「工場」だから、ハードを買えば(それも高い金で)良い品質の野菜ができると
思われがちですが、これは違います。
完全閉鎖型の植物工場では「ハード」はもちろん必要ですが、運営の「ノウハウ(ソフト)」が
より重要だと私たちは考えています。
「クリーンルーム」建設の技術があるから植物工場の販売を展開するという大手建設会社
ありますが、これは必ずしも的を得ていません。
いわゆる半導体製造などで使われる「クリーンルーム」は「パーティクル(ホコリ)」がどのくらい
あるかという観点で作られます。「NASAのいくつ」などという基準ですね。
私たちの栽培室は、「菌数をどれだけコントロール」できるかということが重要なポイントです。
この菌数はハードだけでコントロールできるものではありません。ソフトがより重要なのです。
また、小さな実験室でノウハウを取得してから商業規模の設備に投資しようという考え方も
必ずしも的を得ていません。
小規模での栽培技術は基礎にはなりますが、規模の大きな商業生産では全体をコントロール
する「運営ノウハウ」があるのです。
ハード的にも小規模なものを「そのまま」大きくしたら、商業規模の設備になるという考え方も
間違いです。大きな空間の環境をコントロールするにはそれなりのノウハウが必要です。
これから商業規模の植物工場の運営に参入しようといく方は、「実際に植物工場を運営している」
ところから話を聞いて、そこの技術やノウハウを導入する方法を考えるべきだと思います。
そのためにも、わたしたちのようなコンサルティングが必要になると考えています。
(ちょっと生意気ですね。)