植物工場で生産される野菜の価格は一般的には露地野菜に比べて高いと言われています。
露地野菜の3倍くらいだという人が多いようです。
植物工場は「初期投資」が大きく、運営コストも「人件費」「電気代」「輸送費」などがかかるので
高くならざるを得ないということは事実です。
露地野菜に比べて3倍くらいというのも「そうかな・・・」という感じです。
「そうかな・・・」という意味は「露地野菜」のコストは本当なのだろうか?という疑問があるのです。
普通の農家は「人件費」を本当にきちんと計算しているのでしょうか? 初期投資(農地の購入)は
きちんと計算しているのでしょうか?
そして、決定的なのは「コストを計算して価格を決めているのだろうか?」ということです。
普通の農家(農業法人で大規模経営をしているところは別)は、野菜をJAに出荷して、JAは
市場に繋いで、市場はセリで価格を決めてという仕組みです。
農家は出荷した時点で「価格がいくらなのか?」が分かりません。
市場の相場で「いくらになった」と後で知らされるのです。
その「相場の価格」は「生産コスト」とは全く「関係ない」のです。
だから、相場が下がって輸送費も出ないからと「畑でキャベツをつぶしている」という光景が
テレビなどで放送されるのです。
何もこの構造は日本だけの問題ではありません。
農業先進国であるアメリカの農家だって「シカゴ相場」で売らざるをえないの同じです。
それでもアメリカの農家はインターネットを使い「シカゴ相場」を見ながら自分で保管する穀物を
「いつ出荷するか」を決めています。
インターネットが普及する前でも「衛星通信」を使って相場を見ているのを若き日の筆者は実際に
見ています。郊外の農家には大きなパラボラアンテナがありました。
もちろん、鮮度が命のレタスなどの野菜は出荷のタイミングを決めるのに限界があるのも事実です。
でも、農家の方が自分たちの生産物の価格を自分たちが関与して決めていこうという態度は
日本とはかなり違うと感じています。
自分たちで生産したものの価格は自分たちで決めたいというのは自然なことだと思います。
日本でも大きな農業法人ではJAを通さない直接販売で価格交渉を自分でしているところが
出てきています。
ここではJAの存在が大きな「意味」を持ってくるのだと思います。
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