今回は「栽培試験」について個人的な意見を述べたいと思います。
前回までに「不確定要素」を出来るだけ排除することが農業への投資のポイントだと説明
しました。この不確定要素が今回の課題である「栽培試験」にも大きく影響しています。
栽培試験というのは農業では重要なものと位置づけられています。
日本では公的な「農業試験場」というのがあり、そこで世界的に見ても高度な研究・試験が
行われています。
個々の農家が行うには「費用」と「時間」が掛かり過ぎるので公的機関が行っているのです。
なぜ、費用と時間が掛かるのか?
それは露地の農業では「基本的に年に一回しか収穫できない」「試験中でも不確定要素が
関与」するので結果の評価が難しいという理由があります。
このために、「時間」をかけて試験して、結果の評価はアカデミックな修正を加えなければならない
ためです。
分かりやすく具体的に言えば、「ある品種の収穫量」を試験するのに「今年は雨が少なかった」
「気温が低かった」という不確定要素が関与してきます。
「比較対象(コントロール)」として別の品種をなるべく同じ条件になるような条件で栽培する
のですが、露地なので完全に同じ条件とはいきません。
結果として「収穫が多かった」「期待ほどではなかった」という評価をするには「比較対象」と
比べているとはいえ「最低3回」は行わなければならないというのが一般的です。
原則として「年に一回の収穫」ですから、最低3年はかかるということです。
これが従来型農業の実態です。
一方、私たちのような「完全閉鎖型植物工場」では「環境は原則として同じ」に出来るということと
一年に365回(これはちょっと極端な言い方になりますが)は播種(種まき)をして365回収穫
できるわけですから「試験の結果評価」が非常に早くなります。
また、個々の会社で試験をすることも比較的安価に早く出来ます。
つまり、個々の会社が自分たちの考え方に従って「品種」「肥料」「光源」「温度」などの試験が
出来るので会社ごとの特徴が出し易くなります。
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